じいちゃんは今日も”への字”ぐち

介護福祉士、石ころのシッポの介護現場でのドタバタエピソードや介護、健康、美容などのお役立ち情報もご紹介していきたいと思います。ゆっくり、まったり更新していきますのでよろしくお願いいたします。

皆仲良くしようよ。

こんにちは。本日もお越し頂き有難うございます。

私の勤めている施設はいろんな方が入居されています。

認知症の方、障害をお持ちの方、そして元気ですが高齢の方。

このいろんな状態の人たちが一つ屋根の下に集まるとトラブルが起こることが多々あります。

また人数も中途半端に多いのも原因でしょう。

今日のお話はそんな私の職場でのトラブルのお話です。

 

事の発端は数日前の事になります。

デイルームで皆で午前のコーヒータイムを楽しんでいました。

女性の入居者のテルさんがテレビのニュースを見ながら男性の入居者のジマさんに

「世の中おかしくなったね。殺人もあれば泥棒もある。最近なんかテロまでおきてるし。泥棒なんて日常茶飯事なんじゃないかい?」

「そうだね。物騒な世の中になったもんだね。」

そんな会話をしていました。どこにでもある世間話です。このただの世間話があらぬ方向にいってしまいます。

 

昼食時皆が着席し厨房さんの作った美味しい昼ご飯を食べているときに事件はおこりました。

男性入居者のカタさんがテルさんに向かって突然大声をあげました。

「おい!お前!俺がお前の何を盗んだんだ!!誰が泥棒だって!ふざけたことをいうんじゃない!!ベラベラと調子にのるのもいいかげんにしろ!」

あまりの剣幕に誰もがビックリし楽しそうに話しながら食べていた食堂が一気に険悪なムードになりました。

「いきなりなんだい。何の話のことだい?」とテルさん。

「お前さっきコーヒー飲みながらこっち向いて泥棒呼ばわりしたじゃないか!」

カタさんはどんどんヒートアップし、止まりません。身体も大きいカタさんは私のような小柄なものではもう抑えられない状況で見かねた施設長が間に入ります。

私たちは怯える入居者さんに寄り添い、安心させるように声掛けを行います。

施設長「カタさんどうしたの?そんなに大きな声をあげて。何があったの?落ち着いて話を聞かせてよ。」

カタさん「この女。俺をさっき泥棒呼ばわりしたんだ!俺が何を盗んだって言うのよ!」

施設長「カタさんは泥棒じゃないよ。そんなことみんなわかっている。だから落ち着いて。テルさんそんなこと言ったの?」

テルさん「世間一般の話はしたよ。ジマさんと世の中には人殺しもいれば泥棒もいるって話をしてたよ。」

施設長「カタさん、世間一般の話をしていただけなんじゃないかい?カタさんの話ではないんだよ。だから落ち着いて。」

カタさん「この女あきらかに俺のほうを見ていいやがった!!俺は絶対許さない!」

テーブルをドンドン叩きながらカタさんの怒りは収まりません。

「なんなのよ。食欲がなくなったから部屋に戻るわ。」テルさんは部屋に戻っていきました。

施設長はテルさんとカタさんのお部屋にいき話を聞いてその時はなんとか収めたようです。

それからテルさんは食事のときはカタさんが食べ終わってから食堂に来り、欠食したりしてカタさんと鉢合わせにならないようにしていました。

 

そんな状態が数日続いた私の夜勤の日夜中の2時にナースコールでテルさんに呼ばれました。

「こんばんは。どうされましたか?」

「ちょっと眠れないんだ!話を聞いておくれ!」と話しだしました。

「私はカタさんにたばことかいろいろ買ってやっているんだ!後から金払うっていいながらぜんぜん金なんか払わない!それは泥棒って言わないのかい!」

どうも先日カタさんに怒鳴られたことがまだ腹が立ってしょうがないらしいのです。

私「ちょっとまって。お金を払わないのは確かに悪いですけどどうしてカタさんの買い物をテルさんがしているの?それはいけないでしょう。自分の買い物を自分でしているのなら問題ないけれど。どうして頼まれたときに職員に話してくれなかったのですか?」

「どうせ買い物を行くついでだからと思ったのさ。どれだけ買ってやってるかわからないんだから。だからあの時わざとみんなの前で言ってやったのさ。いちおう向こうもわかったみたいだね。」

「テルさんわざと言ってたんですか?皆の前でそれはいけないでしょう。確かにお金を払わないのは悪いですけど、テルさんも何度もどうしてわかっていながら買い物をしたんですか。お金の貸し借り、物の貸し借り、物の交換、物をあげる行為は禁止されているでしょう。ご存知ですよね。いろいろな病気をお持ちの人がいるんです。好意でしてあげたことが相手の命取りになることもあるんです。絶対にやめてください。」

少し強めの口調でお話をします。本当に命が危険になることがあるからです。

「でも皆の前で自分のしていることは棚にあげてあんな言われ方私は許さない!!絶対皆の前で謝らせてやる!」とテルさん。(自分も皆の前で故意に相手のことをいったんじゃなかったかしら?)と思ったことは口に出さず、

「もう今夜は遅いのでまずは寝ましょう。身体を休めるのも大事です」と夜中の一時間ほどテルさんの話を聞いて退室しました。

 

次の日の朝、喫煙ルームで大きな声が聞こえます。

「何事ですか?」私が入っていくとカタさん、テルさん、ジマさんがいます。

テルさん「こないだ私に言ったことを謝ってもらおうと思ってこの人に言ったんだよ!」とカタさんを指さします。

カタさん「俺は何も言っていない!ジマさんがテルさんのことを悪くいっているんだ!」

ジマさん「おいらそんなこと言わないよ。おいら口が軽いから前に失敗しているから入居者のことは人にはいわないよ。おいらがいうときは必ず職員さん相手って決めてるもん。職員さんならあと腐れないでしょ、って前に言われてるから守っているよ。」

 

ここで大きな問題がでてきたのです。テルさん、ジマさんは頭はクリアーです。しかしカタさんは初期の認知症を患っています。昔のことはよく覚えていますが直近の事は忘れてしまいます。そうなんです。先日大声をあげたことをカタさんは忘れてしまっているのです。同じようにカタさんはテルさんに買い物を頼んでいたのでしょう。でも後で払うといったものの、買い物を頼んだこと事態忘れている可能性が大なのです。しかし会話も成立しますし、普段の生活ではパッとみではわかりません。

個人情報なのでカタさんが認知症とも言えません。またカタさんは認知症の症状の一つ「とりつくろい」がでてきて話はどんどんこじれていきます。

ちょうど早番で主任が出社してきて応援を頼みました。さすが主任です。皆の話を聞いて自分の方にうまく話しを持っていき

1.お金の貸し借りをしないこと

2.買い物は自分で行くか、職員に頼むこと

3.物の貸し借りを入居者同士でしないこと

4.食べ物の受け渡しを入居者同士でしないこと

など皆を納得させて円く収めました。

勉強になりました。

テルさんジマさんは自分の言いたいことを言えたのでスッキリしたもよう。

少々カタさんは不満げではありましたがそれでも納得されました。

 

認知症の症状がおこしたトラブルのひとつと言えるでしょう。皆が理解をしていないと

大きな問題になってしまいます。対応の難しさを感じさせられた一件でした。

私ももっと勉強しなければならないと改めて思い知らされました。

 

 

 

 

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